糖質と疲労
糖質と疲労
目次
運動中の糖質利用
運動中には体内の糖質と脂質をエネルギーとして使用する。
比率は運動強度により変わる。
VO2maxを基準にすると
VO2maxの25%程度の運動(普通歩行)では大半が脂質をエネルギーとして
しようする。
60%を超えてくると脂質の利用が減り、糖質の利用が増える。
これ以上の強度になると糖質の利用割合がさらに増えていく。
これは体内で脂質をエネルギーとして使用するには糖質より多くのステップがある為。
激しい運動時など急いでエネルギーが必要な時は糖質を利用しエネルギーを生み出す。
グリコーゲンの減少と疲労
脂質は枯渇することはまず無いが、糖質については体内に貯めておける量が少ない為
激しい運動や長時間の運動で枯渇する場合がある。
糖質(筋グリコーゲン)が減少することで筋収縮に必要なATPの再合成が間に合わなくなり
疲労を引き起こす。
さらに筋グリコーゲンが枯渇した場合必要なエネルギーを血糖から補おうとする。
そうなると脳への血糖を送っている肝グリコーゲンも減少する為、
中枢性の疲労も生じる。
体内のグリコーゲン量を増やす対策として
運動を継続的に行うことが上げられる。運動をしている筋肉は運動をしていない筋肉と比べると2~3倍程度多く筋肉にグリコー源をためておけるのでエネルギー切れを起こさず疲れにくくなる。
運動前の糖質補給
持久運動の30~60分前に多量の糖質を摂取すると、運動直後に急激に血糖値が下がり
パフォーマンスを低下させる。(インスリンショック)
これはインスリン感受性が高い人がなりやすい。
VO2maxが高い人はインスリン感受性が高い傾向がある。
持久系スポーツ競技者はVO2maxが高い傾向にあるため、
直前の糖質摂取に注意が必要。
運動時の糖代謝
脂質(血中脂肪酸・筋内中性脂肪)を多くエネルギーとして使うことができる。
結果、運動中に筋グリコーゲンを節約できるので運動中の疲労を防止し持久力向上につながる。
ミトコンドリアの増加
LT(55~60VO2max)以上の中・高強度の運動でミトコンドリアの大きさ、数を
増やすことができる。
ミトコンドリアが増えることで一定強度の運動ではグリコーゲンの減少を抑えることが出来、乳酸の発生も抑える事ができる。
GLUT4の増加
GLU4とは筋肉内に存在するタンパク質で筋肉内にグリコーゲンを取り込む働きがある。
ミトコンドリアと同様にLT(55~60VO2max)以上の中・高強度の運動で増やす事ができる。
長時間運動字も途中の補給で糖質を摂取した際、素早く筋肉に血糖を取り込んでエネルギーを生み出すことができるようになる。
適切に補給を続ければ高強度の運動を持続できる可能性がある。